「きつい」「汚い」「危険」の頭文字を取って3Kと呼ぶそうです。実際に介護職に就く上で気になるところだと思います。
この3Kについて僕の考えを述べます。
「きつい」について
「きつい」については人によるかなと思います。
認知症の方とコミュニケーションを取るのが精神的に厳しいという方もいるでしょうし、身体介護で肉体的につらいという方もいるでしょう。
ただ個人的にはオープンオフィスで常に対面と左右に同僚がいる環境の方がよほどストレスが溜まりますし、身体介護の負担も例えば土木の現場で働くよりは遙かに少ないでしょう。
また労働時間の問題もあります。フルタイムで現場のみ、身体介護の方ばかりいるフロアで働けばそれはきついでしょうが、現実にはそこまで過酷な環境ではないかなというのが正直なところです。
「汚い」について
「汚い」は実際にかなりあります。
介護の主な業務の一つに排泄介助というものがあります。排便の後にお尻を拭いてあげたり、おむつ交換を行うなどは日常的な業務の一つなので、やらないわけにはいきません。
また認知症が進んでくると「弄便」といった排泄物を触って壁や床になすりつけるといった症状が出る方もいます。数は少ないですが、いることは確かです。僕も数人覚えがあります。
ただ、良いのか悪いのかはさておき、「汚い」には慣れます。
僕も最初はかなり抵抗がありましたが、今では割とフラットな気持ちで排泄介助を行えます。仕事の一つとして割り切れています。
また排泄介助の時には使い捨てのグローブを着用します。素手で行うことはまずありません。
「危険」について
「危険」は真剣に考え出すとかなり存在するリスクです。
認知症の高齢者の方は、こちらが予想しないような行動を取りますし、それが原因で転倒し、治ることのない傷を負ってしまう方もいます。
またこちらの注意不十分で、防げたはずの怪我や病気を引き起こしてしまうというケースもあります。確かに「危険」はそこら中に存在します。
ただ、よほど悪質でない限り、介護の現場で過失を処罰されるということはないでしょう。もちろん口頭での厳重注意はあり得ますが、例えば法的責任を負わされるとか、そういう話になることはほぼありません。
実際のニュースを見ても、明らかに害意があって逮捕されたというパターンがほとんどでしょう。
こちらが介護職として、まっとうに働いている中で起きてしまった事故であるならば、改善のための話し合いこそすれ、個人を罰するという話にはまずならないです。
実際に他業種から介護職になった経験から言えば、介護の現場には確かに特有のリスク(3Kのような)はありますが、他の仕事よりも働きやすいです。
結局のところ、合う合わないがある、という当たり前の結論になり、介護だけが特別に厳しい労働環境であるということはないのかなと思います。