介護をする上で、おそらく多くの人にとって最も抵抗感のある部分だと思います。
実際にはどんな感じなのか僕の経験を紹介します。
トイレに自分の意思で行けるけれど時々失敗する方
主にリハビリパンツや尿取りパッドを着用します。
定期的(例えば朝夕の更衣の時など)に汚れていないかを確認し、必要に応じて交換します。
基本的には自立されている方々なので、それほど大変ではありません。
排泄の主張はできないけれどトイレに連れて行けば排泄自体はできる方
リハビリパンツなどを着用した上で、時間を見てトイレに連れて行き、排泄をしていただきます。
失禁することが多いため、そういう意味でも定期的にトイレに連れて行くことが必要です。
排便後にお尻を拭く動作ができないか理解できない方が多いため、グローブを着用した上で清拭を行います。
身体的・認知的な理由でトイレを使えない方
テープ式のおむつを着用します。パッドを併用する場合もありますが、重ねすぎるのは禁止です。
僕が勤務しているグループホームでは、11時と4時を目安におむつ交換を行っています。
排尿だけならばすぐに済みますが、排便していた場合、ベッド上で清拭を行う必要があります。また汚れ具合に応じて陰部洗浄を行うこともあります。
この段階まで認知症が進んでいる方は、こちらの指示が理解できない場合も多いです。横向きになった姿勢を維持してほしいと伝えても、すぐに仰向けに戻ってしまったりという場合が多々あります。
これといって共通の解決策はないので、その方の性格に合わせて、体を支えたり声かけをして、なるべく早く終わるように心がけます。
羞恥心に配慮する必要がある
いずれの場合も、あいての羞恥心に配慮する必要があります。
僕らは最初こそ戸惑いますが、次第に慣れていきます。でも相手の羞恥心がなくなることはありません。
自分の身に置き換えてみれば異常な状況であることが分かると思います。トイレに他人が入ってきて下着などの交換を行うのですから、怒ったり戸惑ったりするのが普通です。
必要なことですから、排泄介助自体はやらなければいけません。ただ相手になるべく不快感を与えないように、また嫌がられたりしてもある意味当然なのだという心構えをしておくことが、結果的にこちらの心を守ることになると思います。