僕はニートがフルタイムで働くのは無謀だと思っています。理由を三つ話します。
ニートにとって働くことは普通ではありません
・ニートは仕事でほぼ確実にストレスを感じるのだから、フルタイムで働くのは無謀。
・仕事で消費した精神力を回復する時間が、フルタイムだと確保できない。
・仕事から逃れるための選択肢を試す時間が、フルタイムだと確保するのが難しい。
雇用は不快感とセットだから
あえて主語を大きくして語りますが、雇用されるということは不快感とセットです。特にニートの場合はそうです。どんな業種のどの職場に雇用されても不快感からは逃げられません。
なぜなのか? そもそも雇用主が雇用するというのは、自分でやるのが面倒くさかったり、やりたくない部分を、賃金を払って他人に委託しているからです。不快な部分を金銭とトレードして他人に押しつけているのが、雇用というものの正体です。
ましてや仕事が大嫌いなニートという人種にとっては、雇用されて幸福感を覚えるなんていうのは妄想の世界でしかあり得ません。99%のニートは雇用されて激烈なストレスにさらされることになります。
だから最初からフルタイムで働こうなんて無茶なことは考えない方が良いです。フルタイムというのは、一ヶ月のうちに休みが八回以下しかない状態です。想像してみてください。そんな生活が長続きすると思いますか?
世間では正社員じゃないと情けないとか、そういう論調が一部ではありますが、無視してください。仕事が得意で好きで、社会で生きることが苦でない人たちと比べてはいけません。
良い意味で身の程を知ることが重要です。
精神力を回復させる時間を確保できないから
仕事をするということはエネルギーを使います。肉体的にもそうですが、ニートの場合、それ以上に精神的なエネルギーを猛烈に消費します。
もし非常勤の職員であれば、週2~3回の休みで、なんとか精神力を回復させることができます。反対にフルタイムであれば、まともな趣味の時間も取れず、ゲームもできず、漫画も読めず、アニメも見れず、部屋でゆっくり過ごす時間もありません。
特に就職した直後は十分な休息が絶対に必要です。ニートは労働で傷つきやすい体質だと知っておくべきです。楽観的に自分の状態を見積もるのではなく、これまでの人生で一番困難なミッションに挑むくらいの心構えでいた方が良いです。
幸い、人間には回復力があります。十分な休息(睡眠と趣味の時間)があれば、過酷な環境でも生きていくことはできます。
副業など他のことを考える気力と時間を奪われるから
さて、金がなくて労働せざるを得なくなったわけですが、そんな人生がずっと続くと考えるとどうでしょうか? 絶望したくなりませんか?
その絶望感にあらがう方法は、他の道を労働と並行して探すことです。自分の人生は労働だけではないのだと、色々なことにチャレンジすることです。
最初は労働に適応するだけでエネルギーの大部分を消耗するでしょう。僕も副業で金を稼ごうと考える余裕ができたのは、非常勤で介護職についてから五年が経過してからでした。
労働の唯一良いところは、雇用されている限り確実に一定の金が得られることです。そのメリットを考えると、別に正規雇用されてフルタイム労働をしなくても、非常勤で働きながら(一定の報酬を得ながら)自分にとって最高に快適な環境を目指して活動するのが良いのではないかなと思います。
当たり前ですが、人生は労働ではありません。なのに現代社会では、定年まで延々働き続けることが常識となっています。僕からすれば正気とは思えません。
金がないというのは現実的な問題なので、働かざるを得ないかもしれません。でも労働に自分の全てを明け渡す必要はありません。だましだまし労働をしながら、何とかして労働から逃れる方法を探すべきです。